ファイルベースライトフィルタ

Windows Embeddedには二つのライトフィルタ(書き込み禁止機能)があります。
・EWF(エンハンスライトフィルター)
・FBWF(ファイルベースライトフィルタ)

世の中ではEWFがよく知られており使い方や注意事項はググればすぐにわかりますが、FBWFについてはあまり記述がありません。英語圏のサイトにはあったりしますが、よくわからないのが現状だと思います。
先日FBWFを使って設定した経験からその使い方や内容をまとめておこうと思います。

  1. FBWFMGRについて

fbwfmgrはWindows Embededd Standard 2009では標準で用意されているライトフィルタでEWFと違いファイルもしくはフォルダ毎に書き込み状況を設定できるツールである。但し、NTFSの一部扱えない機能もある(暗号化など)。
ライトフィルタで設定した領域は常に書き込み禁止となり、exclusionで設定した除外フォルダもしくはファイルは常に書き込み可能となる。書き込み禁止領域と書き込み可能領域間でのファイルのやりとりはできない。よってごみ箱への送付などはエラーメッセージが出てできない。(直接削除は可能)
また、仮想HDD(メモリ空間に予め確保)はRAMDISKに似ており、上限を超えない限り何度でも同じファイルなら書き換え可能(EWFは同じファイルであっても何度も書き込むとその分メモリ容量を
占有してしまう。メモリ空間を全部消費するとハングアップする)で、メモリ空間を無駄に占有することがない。RAM上に設定する仮想HDDはoverlay cache thresholdコマンドでサイズを設定できる。


  2.コマンド
・書き込み禁止ドライブ設定
addvolume ・・・・・・・>fbwfmgr /addovolume c:
・書き込み可能フォルダ設定
addexclusion・・・・・・>fbwfmgr /addexclusion c: “\Documents and Sttings\All Users\Start menu”

**注意**
・ドライブ指定にルートマークはいらない(前後をスペースで空ける)
・フォルダ指定はダブルコーテーションで囲う(名前にスペースがない場合はなくてもよい)
・日本語名はNGなので英語表記を記載する(日本語でも設定できるが正しく動作しない)
※exclusion設定したフォルダはfbwfmgrをDisableにすると無効となり、enableにするといちいち設定しなくても有効となる。設定を変えたい時は、fbwfmgrをenableに設定し、removeexclusionコマンドで行う。


  3.overlay cache threshold
fbwfmgrはEWFと違い、仮想HDDに書き込みを行う容量を予め決定しておき、RAM上に起動時にてその容量を確保する。尚、その容量を超えたファイルの書き込みはエラーメッセージが出て書き込めない。但しEWFのようにハングアップしたりはしない。


その他にも機能があるようですが、私の経験ではここまで。
フォルダの指定方法に大変苦労したので、これから使おうと思ってる人は参考までに。