放送と通信の融合とは

ロジテック、「ROBRO」で視聴/録画可能なUSB地デジチューナ

ネットを家庭のテレビへと普及させていく。マイクロソフトの今年の戦略でもあるこの思想を既にある程度実現しようとしていた製品がありました。地上デジタルチューナーにネットの動画を見れるようにした製品はさほど珍しくはありません。しかし、”放送”という概念と”通信”という概念はあまりにも違いすぎて同じ土俵では無理があったように思います。
今までテレビしか見ていない人が、いくらチャンネルと同じ感覚でYoutubeを見れるとしても、果たして何人の人がYoutubeを見るでしょうか。情報を求めてそこにアクセスするインターネットの世界は、インターフェースをテレビと同じにしても全く異なる世界だと常に思っております。

さて、今回取り上げるこの製品はよくあるSTBのようですが、その”通信”を”放送”に変える機能というかアイディアを盛り込んでいます。

各チャンネルには、下の階層「サブチャンネル」も用意し、NHK教育などで複数番組が編成されている場合はサブチャンネルで選局可能。ユーザーがマニュアルでチャンネル/サブチャンネルに任意のサイトなどを登録することもできる。

アーティストやクリエイターによる動画投稿やブログなどを中心としたSNSサイトの「MySpace」は、ROBROの11chに割り当てられる。世界で 800万人、日本で7万5,000人のアーティスト/クリエーターなどが登録する同サイトでは、チャンネル番号の1,000番台をランキングチャンネルと称して人気のサイトを紹介。2,001〜9,999chを各アーティストのページに割り当て、現在では約100のアーティスト/クリエイターが登録している。

上のサブチャンネルの概念は、例えば今見ている動画に関連している”オススメ動画”や”良く見る動画”などを自動で割り当てたらどうだろう。ニコニコやYoutubeを見たことがある人なら、一つの動画で終わらず、関連した動画を次々とクリックして見た経験があるのではないだろうか。オススメやタグ検索、ランキングなど一つの動画をキーとして次々とひもづる式にリンクしていく(ユーザーの好みの統計により勝手に)のが特徴だと思うので、それをサブチャンネルとして割りつければ、これはアリだと思うのだがどうだろうか。
また、MySpaceについては今やインディーズ音楽の定番となっている(と勝手に思っている)サイトで、ニコニコやピアプロなんかに比較すると本格的に課金していこうというコミュニティーだと思う。課金の概念をテレビに持って来るのは難しいと思うが、今までのメディアに頼らない新しいコミュニティが色々と立ち上がっているのは事実。もうCDを購入して音楽を聞く時代ではないので、面白い試みだと思う。

さて、この製品。家電にも搭載していくということで、第一弾と思われる製品が発表されました。
オリオン、地デジとネットの同時視聴可能な液晶TV−18.5型の「ROBRO」。クイックサンなどが共同で開発
ちょっと面白いのは、これから売る製品にアナログチューナー搭載していること。
政府はやっきになって地デジ対応をアナウンスしてますが、ちゃんとしたリサーチをしていただきたいものです。